年度 1990年

設問番号 第2問


次の文章をよみ、下の図(京都・鎌倉)を参考にして、院政時代から鎌倉時代にかけての京都と鎌倉の都市の発展について、それぞれの特徴を記せ。解答は、5行以内で答えよ。

1086年に院政を始めた白河院は、京の南、烏羽に離宮(鳥羽殿)をもうけ、鴨川の東、白河に御所(白河殿)や法勝寺を建てた。こののち白河には御所や六勝寺と総称される寺々が立ち並ぶが、なかでも法勝寺は「国王の氏寺」とよばれ、その九重の大塔は院政時代の京都を象徴する建物として威容を誇った。ところで鎌倉時代の1223年に京を立った『海道記』の作者は、この九重の塔に別れをつげ、車馬で賑わう粟田口を通り、琵琶湖畔の大津を経て、鎌倉に下った。源頼朝が幕府を開いてからの鎌倉の発展は目覚ましく、作者は由比ガ浜の繁栄ぶりを京の近くの大津や淀にたとえ、ついで浜と鶴岡八幡宮とを結ぶ若宮大路を通って、宿所に向かった。この時に八播宮の東隣にあった幕府(幕府@)は、数年後に若宮大路ぞい(幕府A)に移されている。

京都と鎌倉の地図