年度 1992年

設問番号 第2問


下記の(1)〜(5)の文章は、中世後期、近畿地方に発達した惣(惣村)が、みずから定めた惣掟の条項の大意を述べたものである。これらの文章から惣の特徴を読みとり、それを5行以内にまとめて述べよ。

(1) 宮座のメンバーが交代でつとめる神主になった者は御酒5斗を奉納しなければならない。

(2) 寄合を行なう知らせを2回うけても、なお出席しない者には、50文の罰金を課す。

(3) 惣が所有する森林で、繁った木の葉を採取した者は村人の身分を剥奪する。

(4) たとえ、盗みのような重罪を犯したものであっても、村人達が勝手に処罰してはいけない。惣の乙名・中乙名・若衆が、犯罪の証拠をよく調べ、その上で、惣としての定まった処置をとるべきである。

(5) わが村の乙名である清九郎は、地頭との間に軍事同盟を結び、惣が武力を提供するみかえりに、惣にかかる年貢を半分に減らし、惣がその年貢の納入を請負う契約を結ぶことに成功した。このことは、当所の地下人に長く記憶されなければならない。