年度 1997年

設問番号 第4問


次の(1)から(3)の文章を読み、下記の設問に答えよ。

(1) 明治元年2月晦日にイギリス公使が襲撃される事件が発生し、3月12日にイギリスは太政官に、外国人への暴行厳禁を命ずる新令を掲示するよう督促した。しかし、太政官のなかでは、そのような新令の掲示は外国人に屈したように見えるという意見がでて、直ちに決定ができなかった。

(2) 明治元年3月15日に、太政官から呼出しがあったので熊本藩の重役が出頭すると、次の5枚の高札の文面と前日に出された五箇条の誓文が手渡された。

 I 五倫(父子、君子、夫婦、長幼、朋友)の道徳を守ること

 II 徒党を禁止する

 III キリシタンを禁止する

 IV 開国和親の政策をとるので、外国人殺害を禁止する

 V 戦乱に乗じ、本来居住すべき地から脱走することを禁止する

(3) 太政官の高札が江戸日本橋に掲示されるのは、明治元年7月になってからである。このとき政府が掲示を督促した高札は、IからIIIの3枚であった。

設問

A 五箇条の誓文と5枚の高札の文面が同時に手渡され、しかも両者が共通して対外関係について触れているのはなぜか。(1)で述べられている事実を踏まえて、3行以内で説明せよ。

B (3)を手がかりに、維新初期の民衆政策のあり方について2行以内で説明せよ。