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貫高制と石高制

メールでの質問への応答です(1999.1.24,少し手を加えてあります)。
>土地のあり方について、知行地が出てくるあたりから、頭がこんがらがって来る
>んですけど、(大名知行制とか、貫高制や、石高制あたりが分け分からなくなるピー
>ク)今後色々調べたりもするつもりですが、簡単な説明でもしていただけると、大変
>ありがたいです。

考える上での手がかりを以下に書いておきます。

(a) 貫高制と石高制には共通点があるが,
 それはどのような点か(まず貫高や石高の規定を確認すること)。

(b) 貫高や石高は,主従関係(主君と臣下との間における御恩・奉公の契約関係)においてどのような役割を果たしたのか,
 あるいは主従関係にどのような影響を及ぼしたのか。

なお,
「知行」とは,とりあえず次のように規定できます。

 職務と収益(得分)がセットになっている社会−中世社会がその典型−において,その<職務+収益>を自分のものにする(占有する)という行為あるいは状態を「知行」とよぶ

とはいえ,
受験レベルでは「知行地」=支配地域と考えておいて問題はない。
ただし,
中世武士の知行地=支配地域と近世武士の知行地=支配地域とでは支配のあり方が質的に変化していることに注意しておく必要がありますが。