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金本位制とは?

メールでの質問への応答です(2001.02.06)。
> 金本位制を簡単に説明する方法を教えてください。

紙幣や銀行券など通貨の信用を金(金地金または金貨)によって確保するシステムです。
もともと,
金や銀など貴金属の素材価値でさまざまな商品の価値量を表示することが多かったわけですが,
経済取引が活発化するなかで貨幣(さまざまな商品の価値量を表示する指標)に対する需要が増えるにもかかわらず,
金や銀など貴金属の産出量(あるいは保有量)が同じように増えていかなければ,
経済取引は円滑に進まなくなります。
そこで登場したのが,
紙幣や銀行券などの通貨です。
紙という素材そのものの価値がきわめて低く,
額面に表示された数値を貨幣(さまざまな商品の価値量を表示する指標)として通用させようというものです。
そして,
一定量の金・銀など貴金属−これを正貨とよぶ−との兌換(無条件での交換)を約束することで,
額面に表示された数値に対する信用を確保しようとします。
その際,
金との兌換が約束されれば金本位制で,
銀との兌換であれば銀本位制です。
こうした兌換制度のもとでは,
(1)通貨発行高は正貨(金など)保有高に制約され,
(2)貿易取引きの最終的な決済は正貨(金など)で行われる
という状態になります。