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保護国とは何か

メールでの質問への応答です(2001.02.06)。

> 「保護国化」「保護国」というものがよくわかりません。植民地や半植民地とい
> う語とどのように区別したらいいのでしょうか。

「保護国」とは,国家の主権は確保され,独立国としての体裁は残っているものの,外交権を他国に奪われてしまっている状態の国家を指します。ですから,第二次日韓協約で日本が韓国の外交権を接収した際,日本は韓国を保護国としたと表現されるのです。
それに対して「植民地」とは,独立国としての主権を失い,あらゆる面で他国の支配下に置かれた状態にある地域です。たとえば,大韓帝国は1910年の韓国併合条約で,韓国皇帝から日本の天皇へと韓国に対する統治権が譲り渡されてしまいますから,それ以降,韓国は日本の植民地となったと表現されます。
また「半植民地」は,独立国としての主権は確保されているものの,他国がさまざまな権益(たとえば鉄道の敷設や鉱山の採掘などの権利・利益)をもっており,事実上,他国の支配下に置かれているのと同じような状態にある国家・地域を指します。ただし,外交権や内政権がその国家のもとに確保されているかどうかを問わずに用いられる表現で,上記の「保護国」とは,この「半植民地」の一つの形態だと言えます。