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農地改革の残した問題点

メールでの質問への応答です(2000.9.6)。
> 戦後の農地改革の残した問題点について教えてください。

次の2点が考えられます。
(1) 山林については改革の対象とならず,山林地主が残存した点。
(2) 自作農を大幅に増加させて生産意欲を高め,それを通じて農民の生活水準と農業
生産力の向上をめざしたが,零細経営の自作農を多数創出する結果となった点。つま
り,戦前からの日本農業の1つの課題であった零細経営問題には手がつけられなかっ
た点。

とりわけ,戦後の高度経済成長のなかで第2次・第3次産業と農業など第1次産業と
の格差が拡大していったことを考えれば,(2)が大きな問題点だったと言えます。だ
からこそ,1961年に農業基本法が制定され,経営規模が大きく生産性の高い自立農家
の育成がはかられたのです(必ずしも成功はしませんでしたが)。
[2000.09.06]