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鎌倉幕府の将軍と御家人の主従関係

メールでの質問への応答です(2003.9.20)。

> 質問なんですけど、鎌倉幕府の御家人と将軍の主従関係っていうのはもとはと
> いえば、10世紀以降登場してきた武士が所領の保護を求めて、力のある平氏や
> 源氏に土地を寄進して主従関係を結んだ、っていうのがはじまりですか?(こ
> れは寄進地系荘園の領家(本家)と在地領主の関係と同じですよね?)

土地の寄進を受けた人物と寄進した人物の関係は主従関係ではありませんし,有力武士と地方武士との主従関係が成立する端緒は土地の寄進ではありません。
そうではなく,主従関係は,官位や姓名などを記した名札(名簿[みょうぶ])を差し出すことで成立します。
これは平安時代の貴族社会以来の風習で,摂関政治のころ,中下級貴族らが権門勢家(有力な皇族・貴族)に対して私的に隷属・奉仕するようになったとの話が教科書にも書かれていますが,それが主従関係の原型です。