年度 2019年
設問番号 第2問
【解答例】
1新中間層。第一次世界大戦の勃発にともなって日本経済が成長するなか,商社や銀行などで会社員・銀行員として働き,事務や知的・管理的な労働に従事するサラリーマンが増え,労働者と区別して新中間層と呼ばれた。
2大学や高等学校,専門学校の増設が進み,教養ある人格への自己完成を重視する風潮が広がるなか,新中間層の多くはそうした高等教育を受けた人々であった。『赤い鳥』は童話・童謡の創作を進め,児童・生徒の個性や自発性を尊重する教育運動に携わったため,子供の教育への関心が高い新中間層に受け入れられた。
3総合雑誌とは政治評論や文芸など幅広い分野を扱った雑誌のことである。吉野作造が『中央公論』で論文を発表したように,新中間層に政治的・文化的な教養を提供し,市民的自由の拡充や民衆の政治参加を求める大正デモクラシーの風潮を助長した。
4『改造』。
5日本資本主義論争。日本の近代社会がもつ性格をめぐって論争が行われた。
(総計400字)