年度 2023年 設問番号 第4問(1)
テーマ 中世前期における宗教・文化の受容層の広がり/中世
発問の類型 多面的な説明
【解答例】
宗教・文化は貴族だけでなく各地の武士や庶民にも受容された。院政期,今様が庶民に流行する一方,浄土教が地方武士にも普及し,藤原清衡の中尊寺金色堂など阿弥陀堂が各地に建立された。鎌倉時代,琵琶法師による平曲のように,語りを通じて文芸が文字の読めない庶民にも広まった。旧仏教の有力寺院が行う五穀豊穣の祈りが村落に定着する一方,南宋から新しく禅宗が伝わり,なかでも臨済禅が鎌倉幕府に保護され,武士に広がった。(200字)
(別解)宗教・文化は貴族だけでなく各地の武士や庶民にも受容された。院政期,今様が庶民に流行する一方,浄土教が地方武士にも普及し,藤原清衡の中尊寺金色堂など阿弥陀堂が各地に建立された。鎌倉時代,将軍源実朝が『金槐和歌集』を残したように,鎌倉武士の間でも和歌が広まった。一方,旧仏教の有力寺院が行う五穀豊穣の祈りが村落に定着するとともに,法然の専修念仏など平等な救済を説く新仏教が現われ,武士や庶民にも広まった。(200字)