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年度 1997年
設問番号 第4問(1)
テーマ 弥生期の水田耕作/原始
発問の類型 多面的な説明
北九州に始まり,またたくまに近畿から東北日本へと広がった稲作農耕は,弥生時代の始まりを示すひとつの重要な事象である。その始まったばかりの米作りの作業は比較的完成された形態をとっていたと考えられている。播種から収穫までの,当時の米作りのようすを,知られている農耕具の名を具体的に3つ用いて,描写せよ。
【解答例】
弥生時代の稲作農耕は,低湿地において小規模ながら畦で区画され,排水・潅漑設備をそなえた本格的な形態で行われた。播種は籾が直播されたと考えられているが,一部では田植えがすでに行われていた。耕作用の農具には刃先まで木製の鍬・鋤が用いられ,収穫にあたっては石包丁を使って穂首だけを刈り取っていた。鉄器の普及した後期には,鉄製の刃先をもつ農具が普及し,地下水位が低く生産性の高い乾田の開発が進められた。