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年度 1998年
設問番号 第4問(2)
テーマ 日中戦争(初期)の展開/近代
発問の類型 展開過程
1938年1月16日,近衛内閣は「帝国政府ハ爾後国民政府ヲ対手トセス」との声明を発した。1937年7月8日早朝の北平(現北京)郊外盧溝橋での小戦闘から,この声明にいたるまでの約半年間に,日中間の戦争をめぐる政治と軍事の過程がどのように展開したのか説明せよ。
【解答例】
盧溝橋事件に際し,近衛内閣は陸軍内部の消極派をおさえて戦線の拡大を図った。一方,中国側は第2次国共合作により抗日民族統一戦線を形成し,徹底抗戦した。そのため日中両国は,宣戦布告を伴わないまま全面的な戦争へ突入した。当初,ドイツを仲介とした和平交渉が行われたが,近衛内閣は,中国の首都南京を占領すると和平交渉を打ち切った。国内では企画院を設置し,国民精神総動員運動を展開し,総力戦体制の整備に着手した。