年度 2003年

設問番号 第2問


次の(1)〜(3)の文章を読んで、南北朝内乱に関する下記の設問A・Bに答えなさい。

(1) 南北朝内乱の渦中のこと、常陸国のある武士は、四男にあてて次のような譲状をしたため、その所領を譲った。
長男は男子のないまま、すでに他界し、二男は親の命に背いて敵方に加わり、三男はどちらにも加担しないで引きこもってしまった。四男のおまえだけは、味方に属して活躍しているので、所領を譲り渡すことにした。
(2) 1349年に高師直のクーデターによって引退に追い込まれた足利直義は、翌年京都を出奔して南朝と和睦した。直義はまもなく京都を制圧し、師直を滅ぼした。その後、足利尊氏と直義が争い、尊氏が南朝と和睦した。
(3) 1363年のこと、足利基氏と芳賀高貞との合戦が武蔵国で行われた。高貞は敵陣にいる武蔵国や上野国の中小の武士たちを見ながら、次のように語って味方を励ましたという。
あの者どもは、今は敵方に属しているが、われわれの戦いぶりによっては、味方に加わってくれるだろう。

設問
A 当時の武士の行動の特徴を、2行以内で述べなさい。
B 南朝は政権としては弱体だったが、南北朝内乱は全国的に展開し、また長期化した。このようなことになったのはなぜか、4行以内で述べなさい。