年度 2010年
設問番号 第2問
次の(1)〜(3)の文章を読んで,下記の設問A〜Cに答えなさい。
(1) 次の表は,平安末〜鎌倉時代における荘園・公領の年貢がどのような物品で納められていたかを,畿内・関東・九州地方について集計したものである。
畿内
国名 | 米 | 油 | 絹 | 麻 | 綿 |
山城 | 17 | 6 | 1 | ||
大和 | 27 | 7 | 2 | ||
河内 | 8 | 1 | |||
和泉 | 2 | 1 | 1 | 1 | |
摂津 | 13 | 2 | 1 |
国名 | 米 | 油 | 絹 | 麻 | 綿 |
筑前 | 13 | ||||
筑後 | 6 | 3 | 1 | ||
豊前 | 1 | ||||
豊後 | 3 | ||||
肥前 | 4 | ||||
肥後 | 7 | 4 | |||
日向 | 1 | ||||
大隅 | 1 | ||||
薩摩 | 3 |
国名 | 米 | 油 | 絹 | 麻 | 綿 |
相模 | 3 | ||||
武蔵 | 2 | 2 | |||
上総 | 1 | 1 | 4 | 3 | |
下総 | 1 | 1 | 1 | ||
常陸 | 1 | 5 | 1 | 2 | |
上野 | 1 | ||||
下野 | 3 | 2 |
(2) 次の史料は,1290年に若狭国太良荘から荘園領主である京都の東寺に納められた年貢の送り状である。
進上する太良御庄年貢代銭の送文の事
合わせて十五貫文てへり(注)。但し百文別に一斗一升の定め。
右,運上するところ件〔くだん〕の如〔ごと〕し。
正応三年九月二十五日 公文(花押)
御使(花押)
(注) 合計15貫文の意。
(3) 摂津国兵庫北関の関銭台帳である『兵庫北関入船納帳』には,1445年の約1年間に同関を通過した,塩10万600余石,材木3万7000余石,米2万4000余石をはじめとする莫大な物資が記録されているが,そのほとんどは商品として運ばれたものであった。
設問
A 畿内・関東・九州の年貢品目には,それぞれどのような地域的特色が認められるか。(1)の表から読みとれるところを2行以内で述べなさい。
B (1)の年貢品目は,鎌倉時代後期に大きく変化したが,その変化とはどのようなものであったか。(2)の史料を参考にして1行以内で説明しなさい。
C 室町時代に(3)のような大量の商品が発生した理由を,(1)(2)の内容をふまえて2行以内で説明しなさい。