年度 2012年
設問番号 第4問
次の表は,日本の敗戦から1976年末までの,中国およびソ連からの日本人の復員・引揚者数をまとめたものである。この表を参考に,下の⑴・⑵の文章を読んで,下記の設問A・Bに答えなさい。
地域 | 軍人・軍属 | 一般邦人 |
中国東北地方 | 52,833人 | 1,218,646人 |
東北地方以外の中国と香港 | 1,058,745人 | 496,016人 |
ソ連(旧日本帝国領を除く) | 453,787人 | 19,155人 |
⑴ 第二次世界大戦の終結ののち,日本の占領地や植民地などにいた日本人軍人・軍属の復員とそれ以外の一般邦人の引揚げが始まった。多くの日本人は終戦の翌年までに帰還したが,中国とソ連からの帰還は長期化した。
⑵ ソ連政府は1950年に「日本人捕虜の送還を完了した」と宣言し,日本人の送還を中断した。その後,日ソ両国の赤十字社の交渉を通じて1953年から帰還が再開されたが,日本側の要望通りには進展しなかった。ほとんどの日本人の帰還が実現したのは1956年のことであった。
設問
A 表に見るように多数の一般邦人が,中国に在住するようになっていたのはなぜか。20世紀初頭以降の歴史的背景を,4行以内で説明しなさい。
B ソ連からの日本人の帰還が,⑵のような経過をたどった理由を,当時の国際社会の状況に着目して,2行以内で説明しなさい。