年度 2013年

設問番号 第4問


明治維新の過程ではさまざまな政治改革の構想が打ち出された。次の文章はそのもっとも初期の例で,1858年,福井藩士橋本左内が友人に書き送った手紙の一部を現代語に直したものである。これを読んで下記の設問A・Bに答えなさい。

第一に将軍の後継ぎを立て,第二に我が公(松平慶永),水戸老公(徳川斉昭),薩摩公(島津斉彬)らを国内事務担当の老中,肥前公(鍋島斉正)を外国事務担当の老中にし,それに有能な旗本を添え,そのほか天下に名のとどろいた見識ある人物を,大名の家来や浪人であっても登用して老中たちに附属させれば,いまの情勢でもかなりの変革ができるのではなかろうか。

設問
A 橋本は幕末の公議政体論の先駆者として知られるが,この構想は従来の政治の仕組みをどのように変えようとするものであったか。国際的背景を含めて,4行以内で説明しなさい。
B この後,維新の動乱を経て約30年後には新たな国家体制が成立したが,その政治制度は橋本の構想とはかなり違うものとなっていた。主な相違点をいくつかあげて,3行以内で述べなさい。


解法のヒント