年度 1989年

設問番号 第2問


下の文章を読み、設問(A)〜(C)に答えよ。

 韓国西海岸の新安の沖の海底に沈没していた難破船の積荷や船体の一部が、1976年以来、数年間にわたって引きあげられた。その結果、一万数千点に及び中国産の陶磁器や、莫大な量の中国の銅銭、あるいは紫檀などの貴木、胡椒などの香料を積んでいたことが判明し、水中考古学のすばらしい成果として注目を集めた。

 遺物の内容などから、この船は1323年、中国の寧波を出港して日本に向かう途中、不幸にも遭難した貿易船であることがほぼ明らかになったが、積荷につけられた木札に「東福寺」と記されているものが多いので、京都の東福寺の修理造営と深い関係をもっていたのではないかとの想定もされている。

設問

(A) この船が日本から中国に向かう場合には、日本からの輸出品として、どのような物資を扱ったと推定されるか。主要なものの名を二つ記せ。

(B) 下線部は、同じような目的をもった船の例からの想定である。その船の名を一つ記せ。

(C) 問題文をふまえ、日明貿易との関連にも注意しながら、元寇後の日元貿易について4行以内で述ベよ。