年度 1993年

設問番号 第1問


日本に渡来した朝鮮・中国の僧侶や、大陸に渡った日本の僧侶は、7世紀から9世紀にかけて、仏教の伝播と発展にどのような役割を果たしたと考えられるか。次の(1)〜(5)の文章を参考にしながら、いくつかの段階に整理して7行以内で述べよ。

(1) 聖徳太子は、595年に来日して飛鳥寺に住んだ高句麗の僧慧慈から、仏教を学んだといわれる。

(2) 遣唐使に従って中国に渡った玄〓[ぼう]は、743年、多くの経典をたずさえて帰国し、吉備真備とともに聖武天皇の朝廷に重く用いられた。

(3) 唐僧鑑真は、日本の要請に応じ、いくども渡航に失敗しながら753年日本に着き、人々に戒を授け、また唐招提寺を開いた。

(4) 804年、最澄は天台の教えを求めて唐に渡った。同時に渡唐した空海も、青竜寺の恵果から密教の教えを伝授された。

(5) 最澄の弟子の円仁は、838年の遣唐使に従って渡唐し、密教の教えや中国の浄土信仰を比叡山に伝えた。