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年度 2017年

設問番号 第1問


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【解答例】
1シドッチ。西洋紀聞。
2杉田玄白は,前野良沢らとともに解剖図録『解体新書』を訳出し,刊行した。大槻玄沢は,江戸に蘭学塾芝蘭堂を開くとともに蘭学の入門書『蘭学階梯』を著して蘭学を広めた。
3司馬江漢。ヨーロッパの技法を学んで銅版画を作成するとともに地動説を日本に紹介した。
418世紀初め,新井白石は海舶互市新例を出し,来航する船数と貿易額を制限して銀の流出を抑制するとともに,朝鮮からの親書における将軍の表記を「日本国大君」から「日本国王」へ改めさせて将軍の体面を保とうとした。18世紀後半,田沼意次は,ロシア人が南下して蝦夷地に接近する情勢下,工藤平助の建議をうけて蝦夷地探検隊を派遣し,ロシアとの交易の可能性を探らせる一方,長崎貿易で俵物や銅の輸出を奨励して銀の輸入をはかった。18世紀末,松平定信は根室に来航したロシア使節ラクスマンに対し,江戸湾入航と通商の要求を拒否しつつも,長崎入港の許可証を与えた。
(総計400字)


【解法の手がかり】
問1
史料中に「采覧異言」があるので,⒜に「新井白石」が入ることがわかる。新井白石が密入国したキリスト教宣教師シドッチの尋問をもとに著したのは『采覧異言』と『西洋紀聞』である。
問2
「白河侯」=松平定信の頃に活躍した蘭学者を想起するとよい。杉田玄白,前野良沢,大槻玄沢,稲村三伯あたりを思い浮かべ,彼らのうちから2人選び,業績を説明すればよい。
問3
「白河侯」の頃に活躍した蘭学関係者で画家を思い浮かべればよいのだが,司馬江漢に絞り込むのは難しい。
問4
新井白石から松平定信までにいたる時期の幕府の対外政策(貿易を含めて)が問われている。政策を主導した人物を3人挙げ,彼らに焦点をあわせることが求められているので,新井白石,田沼意次,松平定信を挙げ,それぞれの対外政策を説明すればよい。なお対外政策としては,該当時期を考えれば,朝鮮との関係,長崎貿易,ロシアとの関係の3つを想定できる。