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年度 2021年

設問番号 第1問


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【解答例】
1調・庸。調は地域の特産物を納め,庸は京での労役である歳役の代わりに布・米などを納めるもので,正丁と呼ばれる21~60歳の良民男子を中心に課税される人頭税である。国司の指揮下,計帳に基づいて郡司が戸ごとに徴収し,戸から徴発された運脚が京まで運んで中央政府に納入した。
2平安時代中期,受領・国衙の開発奨励策を背景として,税制上の優遇措置を与えられて山野や荒廃田などの開発に従事し,私領を形成して開発領主と呼ばれるものが現れた。なかには,国衙が新たな行政単位として郡・郷・保を編成するのにともない郡司・郷司・保司に任じられて徴税を請け負うものがいる一方,国衙から圧迫を受けるものもいた。
3室町幕府は京都の高利貸業者に営業税として土倉役・酒屋役を課した。
4分地制限令。百姓が所持する田畑の最低基準を定め,それを下回る田畑の分割相続を禁じた法令で,年貢負担の義務を負う百姓の零細化を防止することを目的としていた。
(総計400字)