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年度 2020年

設問番号 第1問


次の史料1~3を読んで,下記の問いに答えなさい。史料は書き下しの上、一部 改変したり省略したりしたところがある。(問1から問5まですべてで400字以内)

史料1
 四民共に行旅の事は,故なくしてはする事なき物なり。⒜士は君命に随て旅行し,農商工はそれぞれ⒝家職の為,或は後世菩提に信を起して国々を⒞巡礼修行する有り。余情の人有りて,⒟慰み遊山の為に旅行する,世に稀なり。さなくしては唯だ我が屋に居て起駄の心の尽〔まま〕なる楽みにしくはなし。とにかくに旅行はつらき物なれば,かはゆき子に旅をさすべしと言ふ諺,尤〔もっと〕も可なり。

史料2
東海道五十三次・川崎

史料3
東海道五十三次・藤枝

問1 史料1は,『民間省要』の一節である。『民間省要』とはどのような書物か。史料2あるいは史料3に描かれていることと関連させながら,説明しなさい。

問2 下線部⒜に関わって,『民間省要』の作者らに課せられた負担について,史料2あるいは史料3に描かれていることと関連させながら,説明しなさい。

問3 下線部⒝に関連して、行商と出店のかたちで活動した商人を一つあげなさい。

問4 下線部⒞の旅は中世でも行われた。中世の巡礼を具体的に挙げるとともに,それとくらべて,近世の巡礼の特質はどこにあるのか,説明しなさい。

問5 下線部⒟について,『民間省要』が書かれた時代では稀であるとしているが,後に盛んになる。盛んになった時期はいつかを指摘するとともに,その背景に ついて史料2,史料3と関連させながら説明しなさい。


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