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年度 2023年  設問番号 第4問(2)

テーマ 三国防共協定から三国同盟への経緯・背景/近代

発問の類型 推移・変化



【解答例】
(日本とドイツの双方の動きに留意したパターン)
防共協定はソ連中心のコミンテルンに対抗することが目的であった。ところが,日本は日中戦争が長期化するなかでアメリカとの対立を深め,陸軍を中心として資源の確保や日中戦争打開のため南進を策し始めた。一方,ドイツはソ連と不可侵条約を結んだうえ,第二次世界大戦ではヨーロッパで優位に立った。こうしたなかで日独伊三国は,それぞれ大東亜と欧州での新秩序建設に際してアメリカの介入を排除するため,三国同盟を締結した。(200字)

(日本だけを主題としたパターン)
防共協定はソ連を仮想敵国としていた。それに対しドイツが英仏を仮想敵国とする三国同盟への強化を提案したが,日本は消極的で,独ソ不可侵条約の締結により交渉を中止した。しかし,日中戦争の長期化により対立を深めたアメリカが経済制裁と蔣介石政権支援を進めると,日本は第二次世界大戦でのドイツの優勢を利用し,南進を進めて資源の確保と日中戦争の打開を図ろうとした。そのためアメリカを仮想敵国とする三国同盟を結んだ。(200字)