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年度 1989年  設問番号 第4問(2)

テーマ 江戸後期の農村社会の変貌/近世

発問の類型 多面的な説明


18世紀半ば以降,19世紀半ばまでの日本農村における停滞と発展について,それぞれ2つずつ事実をあげ,社会経済的な視角から解説せよ。


【解答例】
商品作物栽培が活発化して豪農や在郷商人が成長しただけでなく,農村内部で商品作物を集荷・加工する動きが始まり,問屋制家内工業が一般化し,一部では工場制手工業が出現して近代工業の萌芽がみられた。しかし,土地を集積する地主・豪農と土地を手放して水呑百姓に転落する者との階層分解が激化して村の共同体秩序が動揺した。さらに,天明,天保と相次いだ飢饉によって離村する百姓が増加し,労働力の減少した農村は荒廃した。(200字)