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年度 1990年  設問番号 第4問(2)

テーマ 第1次大戦期の矛盾/近代

発問の類型 多面的な説明


日本資本主義は第一次世界大戦を経て大きく発展したが,一方では新たな問題をかかえることになった。どのような発展をとげたか,またその問題とは何か。それぞれの主要な内容を,国内経済と対外関係の両方の面から説明せよ。


【解答例】
国内面では,工業生産額が農業生産額を上回ったものの,経済界の過大な膨張が戦後恐慌以降,不況を長期化させ,工業の国際競争力不足の遠因となった。さらに,都市化が進展して都市大衆社会が成立したものの,物価高騰が都市民衆の生活を圧迫しただけでなく,都市と農村との格差など新たな問題が生じた。対外的には,在華紡など資本輸出が拡大したが,中国では民族運動の高まりから日貨排斥を招き,対中国輸出の減退につながった。(200字)