年度 2017年

設問番号 第3問


次の⑴~⑷の文章を読んで,下記の設問A・Bに答えなさい。

⑴ 17世紀後半頃には,農村においても夫婦とその親・子世代を中心とする「家」が広く成立し,家業と財産を代々継承することが重視されるようになる。当主は家を代表して年貢や諸役をつとめ,村の運営に参加した。
⑵ 江戸近郊のS村では,1839年から1869年の間に,81件の相続が行われた。相続者は,前当主の長男が46件と過半を占めたが,次男(4件),弟(3件),母(4件),妻(後家〔ごけ〕)(6件),養子(8件)などが相続する例もあった。
⑶ 上の例では,家族内に男性がいないときには女性が相続し,その後,婿や養子などの男性に家督を譲っていた。男子がいても,若年だった場合,問題を起こした場合,村を出て行った場合などには,女性の相続がみられた。
⑷ S村では,男性当主は家名として代々同じ名前を継ぐことが多かった。平左衛門〔へいざえもん〕が死亡し,妻のひさが相続した例では,家ごとの構成員を示す宗門人別改帳には,「百姓平左衛門後家ひさ」と亡夫の名前を肩書きに付けて記された。一方,村の取決めや年貢などの書類には「平左衛門」の名前のみが書かれた。

設問
A S村では家の相続者はどのように決められていたか。2行以内で述べなさい。
B 村と家において女性はどのように位置づけられていたか。⑷で当主の名前の書かれ方が男女で違ったことをふまえ,3行以内で述べなさい。


解法のヒント