年度 2020年

設問番号 第2問


京都の夏の風物詩である祇園祭で行われる山鉾巡行〔じゅんこう〕は,数十基の山鉾が京中を練り歩く華麗な行事として知られる。16世紀の山鉾巡行に関する次の⑴~⑷の文章を読んで,下記の設問に答えなさい。

⑴ 1533年,祇園祭を延期するよう室町幕府が命じると,下京の六十六町の月行事たちは,山鉾の巡行は行いたいと主張した。
⑵ 下京の各町では,祇園祭の山鉾を確実に用意するため,他町の者へ土地を売却することを禁じるよう幕府に求めたり,町の住人に賦課された「祇園会出銭」から「山の綱引き賃」を支出したりした。
⑶ 上杉本『洛中洛外図屏風』に描かれている山鉾巡行の場面をみると(図1),人々に綱で引かれて長刀鉾〔なぎなたぼこ〕が右方向へと進み,蟷螂〔とうろう〕(かまきり)山〔やま〕」,傘鉾〔かさぼこ〕があとに続いている。
⑷ 現代の京都市街図をみると(図2),通りをはさむように町名が連なっている。そのなかには,16世紀にさかのぼる町名もみえる。

設問
16世紀において,山鉾はどのように運営され,それは町の自治のあり方にどのように影響したのか。5行以内で述べなさい。

図1
洛中洛外図屏風
(『国宝 上杉本洛中洛外図屏風』米沢市上杉博物館より)

図2
京都市街図


解法のヒント