年度 2019年
設問番号 第1問
【解答例】
1大田文。摂関政治期に摂関家などの荘園が増加したのに対し,11世紀半ば以降,荘園整理策が相次いで実施されると,荘園と公領の区別が明確となる基礎が整った。院政期には知行国制が広まる一方,中下級貴族らによる寄進をもとに荘園の設立が進み,その結果,院・女院や摂関,有力寺社を領主とし,国衙の支配から半ば独立した荘園が各地に成立した。大田文は,こうした荘園・公領ごとに領有関係などを記した土地台帳である。12世紀末に鎌倉幕府が成立すると,将軍家が新しく領主として登場する一方,各地の荘園・公領では領主をさしおいて将軍によって地頭が任じられた。その結果,幕府の勢力拡大にともない,地頭が次第に現地の支配権を握った。
2調。
3ア絹織物。イ和紙。ウ刀剣。
4国産奨励(殖産興業)。佐賀藩では藩主鍋島直正が主導し,有田焼の専売を強化するとともに高島炭鉱の本格的な開発にも着手した。萩藩では村田清風が中心となって紙・蝋の専売制を改革した。
(総計400字)
※問3 ウの別解…陶磁器
問4 ⒟の解答を一橋大学は「天保の改革」と発表したが,リード文の文脈に合わない。天保の改革は,幕府主導のもとに各藩で行われたわけではなく,幕府や各藩で個別に行われたものと考えるのが一般的。