年度 2019年
設問番号 第1問
次の文章を読んで,下記の問いに答えなさい。(問1から問4まですべてで400字以内)
前近代日本の産業の歴史を俯瞰してみよう。前近代日本の最も重要な産業は農業であり,鎌倉時代に作成された土地台帳である ⒜ をみると,院政期から鎌倉時代までの土地制度の移りかわりと土地経済の支配の様子が伝わってくる。その後,制度の変更を伴いながら,農業は前近代日本の基幹産業の役割を果たしていった。
一方で,農業以外の日本の産業の発展を考えると,律令税制の ⒝ や中世の年貢としても課されたその土地の特産物の生産が重要になる。地域によっては,⒞中世の頃に特産物となったものが,江戸時代になると農家の副業などにより特産品として定着し,19世紀に幕府が主導した ⒟ では,各藩の専売制の対象となった物産もあった。その多くは明治の統計で特有物産として把握された。
問1 ⒜に最も適切な語句を記入しなさい。また,⒜の作成目的を含め,下記の『小右記』の記述をふまえ,鎌倉時代までの土地領有関係の変遷について説明しなさい。
万寿2(1025)年7月11日の条の一部
天下□地悉為一家領,公領無立錐地歟,可悲之世也
*□は欠損・不明を示す。
問2 ⒝に最も適切な語句を記入しなさい。
問3 下線部⒞に関して,下記の ア ~ ウ に最も適切な語句を記入しなさい。
室町時代になると,各地の主要な特産品として,加賀・丹後での ア ,越前・土佐での イ ,備前・美濃での ウ ,などが知られていた。
問4 ⒟に最も適切な語句を記入しなさい。また,⒟に関して,とくに佐賀(肥前)藩と萩(長州)藩の事情について,それぞれの中心人物をあげながら,説明しなさい。