年度 2020年
設問番号 第2問
【解答例】
1徳冨蘆花。
2一世一元の制。天皇一代について元号を一つに限った制度である。
3践祚当時,天皇は江戸幕府の将軍に大政を委任し,将軍がそれに基づいて政治を行う体制がとられていた。ところが,大政奉還で朝廷に政権が一元化された後,王政復古の大号令によって天皇中心の新政府が樹立され,戊辰戦争が始まって新政府が旧幕府勢力を圧倒するなかで五箇条の誓文が出されると,天皇は政治を親裁する存在へと変化した。
4大日本帝国憲法で万世一系の天皇が統治権をまとめて持つとされ,人びとは天皇の臣民に位置づけられたうえ,教育に関する勅語で天皇中心の国体観念を培うことが教育の基本理念とされた。日清戦争により日本が欧米諸国とともに帝国主義的な国際秩序を作りあげる側に立つと,建国神話に基づいて日本の優越さを強調する日本主義が広まり,日露戦争後に戊申詔書に基づいて地方改良運動が進められるなか,国体観念が人びとの意識のなかに浸透した。
(総計400字)