年度 2015年
設問番号 第2問
次の文章を読んで下記の問いに答えなさい。(問1から問4まですべてで400字以内)
近代日本における海運業は,日本経済の発展に大きく関わっていた。政府の保護によって誕生した日本郵船会社は,遠隔地との航路を開設し,綿花・生糸など重要産品の輸送を担った。第一次世界大戦期には,世界的な船舶不足を要因として海運業,造船業が日本経済の牽引役となった。その後,日中戦争がはじまると日本経済は全面的な統制経済に突入した。太平洋戦争期には,日本の戦時経済の制約要因が外貨不足から日本の勢力圏内の海上輸送に変化し,戦時経済の遂行にとって船舶輸送能力が重要となった。しかし,軍需用に転用される船舶の増加や制海権・制空権の喪失から,日本の海上輸送は,開戦後の早い段階でその機能を失い,多くの混乱を伴いながら,終戦を迎えることとなった。
問1 政府が,日清戦争後に公布した海運業の奨励政策を2つあげなさい。
問2 第一次世界大戦が日本の貿易に与えた影響について述べなさい。
問3 国家総動員法の先駆けとして,1937年に近衛内閣が制定した法律を2つあげなさい。
問4 太平洋戦争末期の船舶不足は,日本・植民地・占領地間の海上輸送の減少をもたらした。この結果,植民地・占領地の生活物資は,どのような影響を受けたのか述べなさい。また,日本国内への影響についても説明しなさい。