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年度 2017年

設問番号 第1問


 次の史料は随筆『春波楼筆記』の一節である。これを読んで下記の問いに答えなさい。史料は書き下しの上,一部改変したり省略したりしたところがある。(問1から問4まですべてで400字以内)

 采覧異言は  ⒜  先生の著はす所の者にして,利瑪竇〔りまとう〕及び明人の説を掲ぐ,万国の事を誌〔しる〕せり。今亦,⒝吾が党の者,蘭学を好み,尤も医術委し。小子は天文地理を好み,わが日本に始めて地転の説を開く。
 予二十五年以前より,日本の山水富士をはじめ,名山勝景を写真にして,阿蘭陀の法を以て,蝋画に画き,諸国の寺院仏閣の額に掛け,諸侯貴客へ数々認め遣しければ,世に之を奇観とす。
 白河侯博学敏才にはあれど,地理の事においてはいまだ究めざる事あるに近し。蝦夷地において交易の場を開く時は,彼の地自ら開くべし。今にあたりて魯西亜と交易を為さざるを思ふはなんぞ愚ならずや。

問1 2014年に東京都文京区の「キリシタン屋敷跡」から発掘された人骨が,DNA鑑定等によって,上の史料の  ⒜  に尋問された人物である可能性が高いとして話題になっている。この人物と,尋問にもとづいて  ⒜  が著した書物の名前を挙げなさい。
問2 下線部⒝に関わる代表的事例(人物名2人,その業績)を挙げなさい。
問3 上の史料の作者名を挙げるとともに,その人物の業績を2点説明しなさい。
問4 史料中の  ⒜  から「白河侯」までに至る時期の幕府の対外政策(貿易を含めて)について,その政策を主導した3人の人物に焦点をあわせ説明しなさい。


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