年度 2021年
設問番号 第1問
次の文章を読んで,下記の問いに答えなさい。(問1から問4まですべてで400 字以内)
前近代において土地制度は税制と密接な関係を有していた。
律令制下では,班田収授によって口分田が班給され,農民の生活が保障される一方,⒜重税が課され,中央政府の財源とされた。班田制の崩壊後,有力農民が経営する名が徴税単位となり,不輸の権を認可された官省符荘や国免荘が形成された。以後,⒝開発領主による権門勢家への所領寄進と荘園形成(立荘)が進行する中で,院政期には諸領主が荘園・公領から年貢などを徴収する荘園公領制が成立した。
鎌倉幕府は関東御領と関東知行国を保有し,御家人を荘園・公領の年貢徴収などを担う地頭に任命した。室町幕府では,御料所からの年貢よりも,⒞貨幣経済の浸透や京都の支配を前提にした税目が重要な財源となった。
石高制が確立された幕藩体制下では年貢が財政の基盤であり,武士には知行地に代えて蔵米を支給する俸禄制度が行われた。土地台帳たる検地帳が村ごとに作成され,名請人の本百姓が田畑を所持する根拠ともされた。1673 年の[ ⒟ ]など田畑には様々な規制がなされた。
問1 下線部⒜について,租税のうち中央政府へ納められた税目を記し,その内容と徴収から納入までの過程を説明しなさい。
問2 下線部⒝について,荘園公領制の成立の前提として,公領における開発領主の地位の変化を説明しなさい。
問3 下線部⒞について,税目の名称を記し,その内容を説明しなさい。
問4 [ ⒟ ]の法令の名称を記し,その内容と立法の目的を説明しなさい。