年度 1994年
設問番号 第2問
次の史料はある条約の一部である。これを読んで以下の問いに答えよ。(400字以内)なお,史料は原文の旧字体を新字体に改め,濁点,句読点を補い,一部にふりがなを付けた。
第一款 朝鮮国ハ自主ノ邦ニシテ日本国ト平等ノ権ヲ保有セリ。嗣後両国和親ノ実ヲ表セント欲スルニハ彼此互ニ同等ノ礼儀ヲ以テ相接待シ,毫モ侵越猜嫌スル事アルベカラズ。先ヅ従前交情阻塞ノ患ヲ為セシ諸例規ヲ悉ク革除シ,務メ寛裕弘通ノ法ヲ開拡シ,以テ双方トモ安寧ヲ永遠ニ期スベシ。
注(1) 嗣後…その後,以後 (2) 毫も…毛ほども,少しも
問1 この条約の名称を記せ。
問2 この条約が締結されるのに直接的な契機となった外交上の事件の名称を記せ。また,その事件がなぜ直接的な契機となったかがわかるように,事件の概略を具体的に説明せよ。
問3 この条約によって,「朝鮮国」と「日本国」は「平等ノ権ヲ保有」するようになったとは言えなかった。その理由を具体的に説明せよ。
問4 「平等ノ権ヲ保有」することにはならなかったにもかかわらず,下線部のように書かれているのはなぜか。この時期の東アジア世界の国際秩序に留意して説明せよ。