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年度 1993年

設問番号 第4問

テーマ 国会と政党内閣(明治憲法と昭和憲法の対比)/近現代


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(B)((A)と(C)は省略)
第二次世界大戦前の最後の政党内閣の首相の氏名…犬養毅,その政党名…立憲政友会

設問の要求は,犬養毅内閣が(1)崩壊した事情,(2)政党内閣が継続しなかった事情。

(1)崩壊した事情。
五・一五事件で犬養毅首相が暗殺されたため。

(2)政党内閣が継続しなかった事情。
“海軍首班の斎藤実内閣に代わった”と説明するだけでは不十分。なぜ海軍軍人斎藤実が首相に選出されたのか,その事情を説明しなければ,政党内閣が継続しなかった事情の説明とはならない。
考えることは,(a)首相の選出を実質的に担っていたのは誰か−−元老(当時は西園寺公望だけ)が首相を推挙,(b)元老西園寺はなぜ政党党首を首相に推挙しなかったのか,(c)元老西園寺は穏健派の海軍長老を首相にすえ挙国一致内閣を組織させることで何をめざそうとしたのか(『本番で勝つ!日本近現代史』p.175参照)。


(解答例)

婦人参政権が実現したことと,選挙人資格が満20歳以上となったこと。

犬養毅,立憲政友会。五・一五事件で犬養首相が暗殺されて内閣は崩壊した。昭和恐慌のもとで財閥と癒着した政党への反発が高まり,満州事変に伴って軍部の発言力が強まるなか,元老西園寺公望は軍部の急進を抑制するために穏健派軍人を後継首相に推挙した。

首相を指名する権限,憲法改正を発議する権限。