年度 2011年

設問番号 第3問


17世紀前半,江戸幕府は各藩に,江戸城や大坂城等の普請を命じた。そのことに関する次の(1)〜(4)の文章を読んで,下記の設問A・Bに答えなさい。

(1) 城普請においては,それぞれの藩に,石垣や堀の普請が割り当てられた。その担当する面積は,各藩の領知高をもとにして決められた。
(2) 相次ぐ城普請は重い負担となったが,大名は,城普請役をつとめることが藩の存続にとって不可欠であることを強調して家臣を普請に動員し,その知行高に応じて普請の費用を徴収した。
(3) 城普請の中心は石垣普請であった。巨大な石が遠隔地で切り出され,陸上と水上を運搬され,緻密な計算に基づいて積み上げられた。これには,石積みの専門家穴太〔あのう〕衆に加え,多様な技術を持つ人々が動員された。
(4) 城普請に参加したある藩の家臣が,山から切り出した巨石を,川の水流をたくみに調節しながら浜辺まで運んだ。これを見て,他藩の者たちも,皆この技術を取り入れた。この家臣は,藩内各所の治水等にも成果をあげていた。

設問
A 幕府が藩に課した城普請役は,将軍と大名の関係,および大名と家臣の関係に結果としてどのような影響を与えたか。負担の基準にもふれながら,3行以内で述べなさい。
B 城普請は,17世紀の全国的な経済発展に,どのような効果をもたらしたか。2行以内で述べなさい。


解法のヒント