年度 2021年

設問番号 第2問


13世紀の荘園に関する次の⑴~⑷の文章を読んで,下記の設問A・Bに答えなさい。

⑴ 安芸国沼田〔ぬた〕荘の地頭小早川氏は,鎌倉時代半ば以降,荘内の低湿地を干拓し,田地にしていった。このように各地の地頭は積極的に荒野の開発を進め,田地を拡大していた。
⑵ 若狭国太良〔たら〕荘の荘園領主は現地に使者を派遣し,検注とよばれる土地の調査を行った。検注では荘内の田地の面積などが調べられ,荘園領主に納める年貢の額が決定された。
⑶ 検注は,荘園領主がかわった時などに実施されるのが慣例であった。下総国匝瑳〔そうさ〕南条〔なんじょう〕西方〔なしかた〕でも新たな領主による検注が予定されていたが,それ以前に開発された田地の検注を地頭が拒否して,鎌倉幕府の法廷で裁判となった。
⑷ 越後国奥山〔おくやま〕荘の荘園領主は検注の実施を主張して,検注を拒否する地頭を鎌倉幕府に訴えたが,奥山荘は地頭請所であったため,検注の停止が命じられた。

設問
A 荘園領主が検注を実施しようとした理由を,2行以内で説明しなさい。
B 地頭請は地頭の荘園支配にどのような役割をはたしたか。検注や開発との関係にふれながら,3行以内で説明しなさい。


解法のヒント