年度 2021年

設問番号 第4問


1869年に,公卿・諸侯の称を廃止し,華族と称す,として誕生した華族は,1947年に廃止されるまで,士族や平民とは区別された存在であった。それに関する次の⑴~⑷の文章を読んで,下記の設問A・Bに答えなさい。

⑴ 公爵に叙せらるべき者
   一,親王諸王より臣位に列せらるる者
   一,旧摂家
   一,徳川宗家
   一,国家に偉勲ある者

(「華族叙爵内規」1884年より抜粋)

⑵ 第34条 貴族院は貴族院令の定むる所に依り皇族華族及勅任せられたる議員を以て組織す
(「大日本帝国憲法」1889年)

⑶ 第36条 何人も同時に両議院の議員たることを得ず
(「大日本帝国憲法」1889年)

⑷ 第12条 華族の戸主は選挙権及被選挙権を有せず
(「改正衆議院議員選挙法」1900年)

設問
A 1884年に制定された華族令は,公・侯・伯・子・男の5つの爵位を設けただけでなく,華族の構成に大きな変化をもたらした。その変化はどのようなものであり,またそれはどのような意図でなされたのか。3行以内で述べなさい。
B 1924年に発足した清浦奎吾内閣は,衆議院を解散したため,衆議院議員総選挙が行われた。これに対し,立憲政友会の総裁で,子爵であった高橋是清は,隠居をして,貴族院議員を辞職した上で,衆議院議員総選挙に立候補した。高橋がこうした行動をとったのはどうしてか。この時期の国内政治の状況にふれながら,3行以内で述べなさい。


解法のヒント