筑波大学 個別学力検査等試験問題【前期日程】(日本史B)
年度 2003年度(平成15年度) 設問番号 第1問
テーマ 平安後期の政治・社会/中世
次の史料は『神皇正統記』の一節である。史料中の下線部(1),(2)を具体的に説明しながら,この時期の政治と社会について論述せよ。ただし,(1),(2)の使用の順序は自由とする。400字以内で解答せよ。
第七十二代,第三十九世,白河院。諱(いみな)は貞仁,(1)後三条第一の子。(中略)まして(2)此御代には院にて政をきかせ給へば,執柄はただ職にそなはりたるばかりになりぬ。されどこれより又ふるきすがたは一変するにや侍けむ。執柄世をおこなはれしかど,宣旨・官符にてこそ天下の事は施行せられしに,此御時より院宣・庁御下文(ちょうのおんくだしぶみ)をおもくせられしによりて在位の君又位にそなはり給へるばかりなり。世のすゑになれるすがたなるべきにや。
(北畠親房『神皇正統記』 表記を一部改めた。)