筑波大日本史の研究
筑波大の日本史は,問われているテーマのスパンが長い場合が多く,その点で難しいと言えます。
そのための対策としては,『日本史の論点 −論述力を鍛えるトピック60−』(駿台文庫)のような定型的な問いを扱った論述向け参考書を素材として,120〜150字程度の短い字数でコンパクトに表現するとともに,それを400字程度の文章にするには具体例をどのように配置すればよいのかを考える,という練習を積み重ねておきたい。
そのうえでテーマ史の整理をやっておくとよい(筑波の場合,原始・古代,中世,近世,近現代という時代分野からそれぞれ1問ずつ出題されますから,それぞれの時代分野に限定してテーマ史整理を行なえばよい)。
整理するテーマは過去に出題されたテーマでよい(下記の出題一覧を活用してください)。 過去10〜15年くらいの過去問をみて(解く必要はない),そこで扱われているテーマに従って教科書の記述をまとめてみとよい。
なお,入試問題を掲載することについては,筑波大学教育推進部入試課から許諾をいただいています。
2019 | 1 8〜9世紀における中国文化の受容 | 2 室町時代における民衆の動向 | 3 17世紀における幕府政治の推移 | 4 原内閣の施策(対ロシア・中国政策と選挙制度) |
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2018 | 1 都城の役割 | 2 鎌倉時代後期の幕府政治の推移 | 3 日米修好通商条約とその影響 | 4 明治期の地方制度の変遷 |
2017 | 1 白村江の戦い | 2 戦国時代の社会と文化 | 3 江戸時代後期の地理認識 | 4 昭和初期の政党 |
2016 | 1 古代の租税制度 | 2 建武の新政 | 3 17世紀中期〜18世紀の産業の変化 | 4 明治初期の社会と文化 |
2015 | 1 古代の銭貨 | 2 鎌倉時代の政治体制 | 3 江戸初期〜正徳政治期の日朝関係 | 4 20世紀後半の日本経済 |
2014 | 1 平安時代初期の政治の推移 | 2 鎌倉時代の日中交流 | 3 18世紀後半における社会の変化 | 4 1910〜20年代の思想と社会 |
2013 | 1 古代における歴史書編纂の意義 | 2 室町時代の芸能 | 3 18世紀後半における幕府政治の推移 | 4 1930年前後における日中関係の推移 |
2012 | 1 摂関期文化 | 2 鎌倉幕府の成立過程 | 3 江戸中期の武家社会 | 4 昭和初期の経済政策 |
2011 | 1 古代の東北地方 | 2 永仁の徳政令 | 3 19世紀前半の欧米諸国との関係 | 4 明治初期の士族 |
2010 | 1 律令国家の形成過程 | 2 中世における日中関係の推移 | 3 江戸時代前半期における社会の文化的特徴 | 4 大正政変前後の政治構造 |
2009 | 1 縄文〜古墳時代における社会の変化 | 2 承久の乱前後の朝幕関係 | 3 末期養子の禁の緩和 | 4 第二次世界大戦後の内外情勢(1950年前後を中心に) |
2008 | 1 飛鳥時代の政治と社会 | 2 戦国時代 | 3 江戸時代の農業発達 | 4 1910〜20年代の思想状況 |
2007 | 1 古代における学問と政治の関係 | 2 平安時代後期における院政のあり方 | 3 江戸時代後期における文化の特徴 | 4 明治前半期における軍事制度の確立 |
2006 | 1 推古朝の政治と文化の特質 | 2 鎌倉時代の仏教 | 3 禁中並公家諸法度が発布された背景 | 4 日中戦争の開始からアジア太平洋戦争の終結にかけての国民生活 |
2005 | 1 武士の台頭 | 2 惣村の役割 | 3 17世紀における江戸幕府の対外政策 | 4 日露戦争前後の産業構造 |
2004 | 1 奈良時代の人々の生活 | 2 鎌倉時代における政治の展開 | 3 江戸時代の貨幣 | 4 国体明徴声明が出された当時の政治の変化(史料=国体明徴に関する衆議院の決議とその趣旨説明) |
2003 | 1 後三条天皇〜院政期の政治と社会 | 2 鎌倉・室町時代における商業の発達 | 3 天保期の政治と社会(史料=百姓の出稼ぎ禁止) | 4 第二次世界大戦直後の文化状況 |
2002 | 1 8世紀末〜9世紀前半における国政の展開 | 2 正長〜嘉吉の土一揆ころの社会状況 | 3 17〜19世紀における日本と中国の関係 | 4 サンフランシスコ平和条約後の政治と経済の動向 |
2001 | 1 7〜9世紀における位階制の変遷とその特質 | 2 14〜16世紀における対外関係の展開 | 3 江戸時代における幕府と洋学の関係 | 4 第一次世界大戦前後の社会運動 |
2000 | 1 奈良時代以前の葬法の変化 | 2 11〜14世紀の仏教 | 3 江戸時代の百姓 | 4 帝国議会開設前後の政治状況 |
1999 | 1 7〜9世紀の日本の対外交渉 | 2 建武新政権 | 3 天保期〜幕末の社会情勢 | 4 第2次世界大戦後の国民生活 |
1998 | 1 奈良・平安時代の教育 | 2 14〜16世紀の貿易の展開 | 3 江戸時代の水運 | 4 五・一五事件の政治的意義 |
1997 | 1 弘仁・貞観文化と国風文化の相違 | 2 室町幕府の確立過程 | 3 鎖国制下の貿易 | 4 明治初年代の生活・文化の変容 |
1996 | 1 3世紀〜7世紀における社会の変化 | 2 9〜12世紀における東北地方の政治的動向 | 3 18世紀半ばの幕府・大名の財政窮乏と社会 | 4 1920年前後における都市化の原因と影響 |
1995 | 1 藤原道長の時代の政治の特質 | 2 室町文化の特徴 | 3 江戸時代の農業発達 | 4 日中戦争 |
1994 | 1 10〜13世紀における浄土信仰の展開 | 2 鎌倉〜戦国時代における守護の変化 | 3 17〜19世紀における日本のヨーロッパ世界への対応 | 4 日清・日露戦間期の政治の特質 |
1993 | 1 7〜11世紀における文化の展開 | 2 惣村の成立・展開とその特質(史料=近江奥島惣庄掟) | 3 正徳の治 | 4 1930年前後の国民生活 |
1992 | 1 縄文時代の社会と生活 | 2 鎌倉幕府前半期の政治的性格 | 3 近世初期のヨーロッパ諸国の動向とそれに対する諸大名の対応 | 4 日清戦争の社会・生活の変化とその背景 |
1991 | 1 平安〜室町時代にいたる土地制度の展開 | 2 享保期の時代状況(史料=『政談』) | 3 文明開化 | 4 第2次世界大戦後の国際関係 |
1990 | 1 天平文化の性格と歴史的背景 | 2 中世武士団の成立と展開 | 3 太宰春台・安藤昌益の主張 | 4 戦後政治の歴史的経緯 |
1989 | 1 弥生時代における生産技術と社会の発展 | 2 建武政権の歴史的位置 | 3 江戸幕府初期の対外政策 | 4 高度経済成長にともなう国民生活の変化と問題点 |