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筑波大学 個別学力検査等試験問題【前期日程】(日本史B)

年度 2008年度(平成20年度)  設問番号 第1問

テーマ 推古朝の政治と社会/古代


次の史料は,十七条憲法の一節である。文中の下線部(1),(2)を具体的に説明しながら,この時期の政治と社会について論述せよ。ただし,(1),(2)の使用の順序は自由とする。(400字以内)

 三に曰く,(1)を承(うけたまは)りては必ず謹め。君は天なり,臣は地なり。天は覆(おほ)ひ地は載す。四時順行して,万気通(かよ)ふことを得。地,天を覆はむと欲するときは,壊(やぶ)るることを致さむ。是を以(も)ちて君言ふときは臣承る,上行ふときは,下靡(なび)く。故,詔を承りては必ず慎め。謹しまざれば自づからに敗(やぶ)れなむ。
 十二に曰く,国司・国造,百姓に斂(をさめと)ることなかれ。国に二君なく,民に両主無し。率土の兆民,(2)を以ちて主とす。所任(よさせ)る官司は,皆是(これ)王臣なり。何(いか)にぞ敢へて公と,百姓に賦斂(をさめと)らむ。
(日本古典文学体系『日本書紀』原漢文,表記を一部改めた)
 注 四時:四季のこと