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筑波大学 個別学力検査等試験問題【前期日程】(日本史B)
年度 2012年度(平成24年度)
設問番号 第2問
テーマ 鎌倉幕府の成立過程
鎌倉幕府の成立過程について,次のア~エの語句を用いて論述せよ。解答文中,これらの語句には下線を付せ。ただし,語句使用の順序は自由とする。
(ア) 後白河法皇 (イ) 藤原泰衡 (ウ) 壇の浦 (エ) 地頭
【解答例】
鎌倉幕府は,以仁王が発した平氏追討の令旨をうけて挙兵した源頼朝によって作られた。源頼朝は挙兵後,彼のもとに集まった東国武士たちと主従関係を結んで御家人に編成し,彼らの武力によって東国を制圧していった。平氏政権が安徳天皇を擁して京都から西国にうつり京都で後鳥羽天皇が即位すると,源頼朝が京都朝廷を支持したため,後白河法皇から東国支配権を獲得し,東国の半ば独立政権としての鎌倉幕府の出発点となった。ついで平氏政権が壇の浦の戦いで滅びると,後白河法皇に迫り,新たに対立した源義経を追討するため諸国に守護・地頭を設置することを認めさせ,源義経をかくまったことを理由に藤原泰衡を攻め,奥州藤原氏を滅ぼした。こうして全国の戦乱を平定した源頼朝は朝廷から右近衛大将に任じられ,諸国の軍事・警察をになう武家として位置づけられた。さらに,後白河法皇の死去にともなって征夷大将軍に任じられ,鎌倉幕府が名実ともに成立した。(400字)