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筑波大学 個別学力検査等試験問題【前期日程】(日本史B)

年度 2013年度(平成25年度)  設問番号 第3問

テーマ 18世紀後半における幕府政治の推移


次の史料Aは幕府が1790(寛政2)年5月24日に林大学頭(林家の当主である林信敬)へ出した申達,史料Bはその当時に詠まれた狂歌の1首である。これらを読み,18世紀後半における幕府政治の推移について,社会的背景をふまえ,下線部ア〜ウの内容を明らかにしながら論述せよ。

〔史料A〕
 学派維持の儀に付,申達

林大学頭え

 朱学の儀は、慶長以来御代々御信用の御事にて、已〔すで〕に其方家代々右学風維持の事仰せ付け置かれ候えば、油断なく正学相励み、門人共取立申すべき筈に候。然る処,近来世上種々新規の説をなし、異学流行、風俗を破り候類これ有り、全く正学衰微の故に候哉、甚だ相済まざる事にて候。(中略)急度〔きっと〕(ア)門人共異学相禁じ、猶又、自門に限らず他門ニ申し合はせ、正学講窮致し、人才取立候様相心掛申すべく候事
(『徳川禁令考』前集第二による。表記を一部改めた。)

〔史料B〕
(イ)白川の清きながれに魚すまず(ウ)にごる田沼の水ぞ恋しき

(『江戸時代落書類従』上巻による。)

(注)慶長:1596〜1615年に用いられた年号。  講窮:講義・研究