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筑波大学 個別学力検査等試験問題【前期日程】(日本史B)

年度 2014年度(平成26年度)  設問番号 第1問

テーマ 平安時代初期の政治の推移


次の史料を読み,平安時代初期の政治の推移について,社会的背景をふまえ,下線部ア〜ウの内容を明らかにしながら論述せよ。

〔史料〕
是の日,中納言近衛大将従三位藤原朝臣内麻呂,殿上に侍す。勅〔ちょく〕有りて参議右衛士督従四位下藤原朝臣緒嗣〔おつぐ〕と参議左大弁正四位下菅野朝臣真道〔まみち〕とをして天下のア徳政を相論せしむ。時に緒嗣,議して云く,「方今〔いま〕,天下の苦しむ所はイ軍事とウ造作となり。此の両事を停〔とど〕めば百姓安〔やす〕んぜむ」と。真道,異議を確執して肯えて聴かず。帝,緒嗣の議を善〔よ〕しとし,即ち停廃に従ふ。有識これを聞きて,感歎〔かんたん〕せざるはなし。

(『日本後紀』新訂増補国史体系による。原漢文。表記を一部改めた。)