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筑波大学 個別学力検査等試験問題【前期日程】(日本史B)
年度 2015年度(平成27年度)
設問番号 第4問
テーマ 20世紀後半の日本経済
20世紀後半の日本の経済について,対外関係と関連させながら,次のア〜エの語句を用いて論述せよ。解答文中,これらの語句には下線を付せ。ただし,語句使用の順序は自由とする。
ア バブル経済 イ 日中国交正常化 ウ ベトナム戦争 エ 高度経済成長
【解答例】
日本経済は,1950年代初め,朝鮮特需によって戦前の生産水準を回復すると,1950年代半ば以降,高度経済成長を遂げた。技術革新と設備投資が進んで量産体制が整い,国内向けに耐久消費財の供給が拡大するとともにアメリカ向けに繊維製品の輸出が拡大した。さらに,賠償やベトナム戦争に対応した経済開発への協力を足がかりとして,東南アジア諸国向けに重工業製品の輸出が拡大し,1960年代後半,貿易収支の黒字が定着した。1970年代初め,第一次石油危機により高度経済成長が終焉したものの,日中国交正常化にともなって中国との貿易が拡大し,さらに,赤字国債を財源として公共投資が広がりアメリカ向け輸出が増大し,安定成長の時代を迎えた。1980年代にはアメリカの貿易赤字・対外債務が累積し,日本に円高誘導・内需拡大が求められるなか,超低金利政策がとられてバブル経済が生じたものの,1990年代初めにバブルが崩壊すると,長期に及ぶ複合不況を招いた。(400字)