過去問リストに戻る(大問ごと)

年度 2023年

設問番号 第1問


 次の文章を読んで,下記の問いに答えなさい。(問1から問5まですべてで400字以内)

 江戸時代の儒学者・経世家である[  ⒜  ]は著作『経済話』において以下のように述べている(原文の表記を改めている)。内容をふまえて解答しなさい。

 今,上の⒝法に背く者,刑罰に合わず,上にては,民が孝・悌・忠・信になりたらば法に背くまい,とかく民の孝・悌・忠・信になる様にと思ふこと也。孝・悌・忠・信になる様にと思ふと,不孝・不悌・不忠・不信をさせぬとは大に違〔ちがう〕なり。
 法なしに法に背かぬ様になるは,智者のことなり。士大夫のことなり。士大夫と云〔いう〕者は,それが為にこそ上より⒞知行を下されて,金がほしいと思ふに及ばず,一心一向に金を得ることに打掛りて居るに及ばず,智を練るに打掛りて居ることなり。下の愚人は手足を働かせて後に漸〔ようやく〕衣食を得る故に,六ケ敷〔むつかしき〕ことに打掛りては居れぬ也。

問1 [  ⒜  ]に入る人名を記しなさい。
問2 経世論を朱子学および荻生徂徠の学問とそれぞれ関係づけて説明しなさい。
問3 下線部⒝に関して,当時幕府の刑事司法で用いられていた法の名称を記し,説明しなさい。
問4 下線部⒞に関して,掛屋と札差について説明しなさい。
問5 [  ⒜  ]の著作にも影響を受けながら長州藩の藩政改革を行った人物の名前を記し,改革の内容を説明しなさい。


解答例をみる