年度 2018年
設問番号 第3問
次の文章を読んで,下記の問いに答えなさい。(問1から問4まですべてで400字以内
1937年7月7日,北京郊外の盧溝橋で⒜現地に駐屯していた日本軍と中国軍との間に武力衝突が発生した(盧溝橋事件)。現地では一時,停戦協定が成立したものの戦線は拡大し,8月に入ると華中の上海でも大規模な戦闘が始まった。こうして,日中戦争が開始されると日本政府は,1937年11月に最高統帥機関である⒝大本営を設置し,短期決戦を目指した。しかし民族意識の高揚に支えられた中国側は,⒞欧米諸国の支援にも期待して徹底抗戦の姿勢をくずさず戦争は長期化していった。このため日本政府は,⒟国内の戦時体制の本格的強化に乗り出していくことになる。
問1 下線部⒜に関連して,どのような国際的取り決めに基づき日本軍が駐留していたのか,取り決め締結の経緯も含め具体的に説明しなさい。
問2 下線部⒝に関連して,統帥権の独立によって,国務と統帥の分裂=政略と戦略の分裂という事態が生じることを危倶した日本政府は,大本営の設置に伴い新たにどのような措置を講じたか,具体的に説明しなさい。
問3 下線部⒞に関連して,日本の軍事行動の不当性を広く国際世論に訴える際に,中国政府が根拠の1つとしたのは,国際紛争の処理を目的としたある多国間条約の存在だった。その条約とは何か。条約の意義と限界についても具体的に説明しなさい。
問4 下線部⒟に関連し,明治憲法に規定された帝国議会の法律に対する協賛権との関係で,重要な意味を持った戦時立法を1つあげ,協賛権の意味にも言及しながら,その戦時立法について具体的に説明しなさい。